

MATCHBOX NISSAN SENTRA 2016
予告通り、マッチボックスの紹介。先月からの再販枠である日産・セントラ。日本名シルフィ。中国市場でもシルフィだそうな。
ブルーバードの系譜でありながら最終的にはブルーバードの冠が外れ、2021年に生産終了。フルモデルチャンジ後のモデルは北米他、複数の地域で生産・販売が続けられている様子。
マッチボックスがモデル化したのは2016年型ということで、先代モデル。かつてフルサイズが持て囃された北米市場、日本車は「小さい」なんて言っていたのも過去の話。販売台数ベスト3は不動のアメリカビッグ3のピックアップトラック達だが、その下に付けているのはミドルサイズのSUVやセダン達。その多くは日本メーカーの車種で、ビッグ3の乗用車はすっかり落ちぶれてしまった。
かつてアメリカで一世を風靡したミニバンもステーションワゴンも、コンパクトハッチバックさえも全てアメリカは「過去のもの」にしてしまった。アメリカにあるのは大中小のSUVがメイン。そしてフォードが北米でセダンの生産を取りやめてからもう3年。
そう。世界的に、セダンは不人気カテゴリとなっているのは周知の事実。今や、SUVが覇権を握る時代。各社がこぞって大小様々、内燃機関からBEVまで中身も様々なSUVを販売している。
かつて、車の基本形と言えばセダンだったのも過去の時代になりつつある。フォードが北米でセダンを切り捨てたのはその序章と言って差し支えないのかもしれない。
今や、日本を代表する車、「クラウン」ですらセダンではなくなったのだから。今年の秋にセダンがリリースされるとは言えども、ワールドプレミアでは「クロスオーバー」の名称を関したセダンスタイルのSUVが全面に押し出された。
車に興味のある人間はともかくとして、JPNタクシーが出たか出る少し前くらいに聞いた話。
車に趣味性を見出すことは無い、同世代の一般層にとって、セダンとはタクシーのイメージ。それかお爺さんが乗る車かパトカー。そんなイメージだと聞いた事がある。セダンと聞けば爺臭く、前時代的な、そんなイメージが持たれている。
そのイメージは強ち間違いではないのではないかと思わせるエピソードはやはり、数年前から、今の子供達に車のイラストを描かせると3ボックスの富士山型ではなく、2ボックススタイルの車を描く、なんていう話。
まことしやかに囁かれているだけで事実ではないのかもしれない。だが、逆に言えば、そういう話が囁かれるくらいに、今じゃ多種多様な自動車の「形」が登場した事で、セダンは過去の産物となったことを象徴するように思う。

日本市場で現在も購入可能なセダンの選択肢は昔と比べると大分減ったように思う。特にここ10年、大幅にその数を減らしたと言っても過言ではない。
豊富なラインナップを取り揃えるトヨタですら、現在購入可能なセダンはカムリ、カローラセダン、カローラアクシオ、MIRAI、センチュリー、プリウスのみ。
プリウスは5ドアハッチバックに近く、カムリは年内での生産終了が予定されている。そしてこのラインナップの中で5ナンバーサイズはカローラアクシオのみ。
かつて5ナンバーサイズのトヨタのセダンと言えば、プレミオ/アリオンだったり、マークII兄弟が居たと思うが、トヨタは5ナンバーセダンを切り捨てた。当然、コンフォート系も2017年にJPNタクシーに襷を繋ぎ、生産終了。
もはや、日本メーカーから見ても、5ナンバーセダンとは売れない、売れても本のごく一部の層のみという評価なのだろう。言ってしまえば、アメリカにおける一昔前のフルサイズセダンのような扱いだ。ドライバーは極々一部の少数派のセダン保守層と免許の返納を
視野に入れている高齢者のみ……。
日産はそういうジャンルを切り捨てるまでがトヨタよりも早かった印象さえある。気付けば、日産で買えるセダンはスカイライン、ただ1車種のみ。しかしそのスカイラインも次期型の開発が凍結なんていう話が浮上している。そういう点を踏まえて考えると、次期型スカイラインはいつかの「クロスオーバー」の復活となり、「セダン」としてのスカイラインは終了するのではないかと思えたり。
北米市場やセダンが人気の中国市場を除き、国内でそこまでやる気の見られない日産は日本国内でセダンの販売を終了する可能性さえありえる。シーマが消え、セドリック/グロリアの後継だったフーガも消えた今、一定の需要はあれど、セダンという先細るだけのジャンルの車を日産が作り続けるとは思えない。
……と、大分ミニカーに関係のない話を長々と書いてしまったが、こんな時代にセダンを積極的に製品化しているマッチボックスは実に「こちらより」だと思わされたり。現行ではなくあえて先代を製品化した点も含めてそのチョイスはマニアックだと言わざるを得ない。
そして安定のクオリティ。細かい印刷、サイズ感どれもが丁度良い。5年程前のイマイチな時代を見ているからこそ、最近の「戻った感じ」が非常に好感触に思える。数ヶ月後のディナーショーでは2024年の新製品が予告されるだろうが、そちらでもまた湧き上がるようなアイテムの登場を期待したいところ。
そろそろ最終型のダッジ・キャラバンか、クライスラー・ボイジャー辺りとか、プリウスVの後期型とかどうだろうか?

にほんブログ村