

HOTWHEELS TOYOTA HILUX 1985
今月のホットウィール。レトロエンタテイメントシリーズの単品売り。単品売りになったことで敷居が下がった一方で、日本に入らないアイテムが増えたり、そもそもで朝に並ばなくても買える環境からどうにもこうにも、割りと熱が下がったなあと思う機会が増えたのは前の記事で少し書いたような気がするが、それはそれとして。
逆に言えば「買いやすくなる」ということは「本当に欲しいアイテムを吟味出来る」事でもあり。コレクターの性として、ライバルに渡すくらいなら自分が持っておいた方が……なんていう、人間らしいマウンティング行動を取っていた時期もあるのが懐かしく。ホットウィールの単価が安かったのも大きいかもしれない。

マテルはよく再録アイテムをやる事が多いのだが、これもそんなアイテムの一つ。
トヨタ・ハイラックス。ただのハイラックスと侮る事なかれ、名作中の名作、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」で主人公のマーティが所有していたハイラックス。
過去にリリースされたこのアイテムは単品売りがされる前という事に加えて、流通量自体が少なかった時代ということもあり、ヤフオクなんかで見かけると定価の2倍以上という、それなりの金額の相場だったが、再販のおかげで少しばかり相場も下がったのではないかと思うが、はてさて。
作中に登場するハイラックスと比べるとフロントのカンガルーバンパーがなかったり、ホイールもこっちより一昨年辺りから登場したドットタイプのオフロードリムの方が似ているような気がするのだが、ホットウィールあるあるの「既存キャストで可能な限り再現した」モデル。トミカは「新金型を興して」再現する傾向があるようにみえるので対局に位置するなあと思うと共に、可能な限り再現するだけでも「それ」に見えるのはスクリーンを駆け抜けた名車の選定が良い事の裏返しなのかもしれない。
そういえば2015年にタコマをベースにこの仕様を北米トヨタが再現したモデルがあったなあと……。


HOTWHEELS PLYMOUTH BELVEDERE 1958
こちらはプリマス・ベルベディア。某リサイクルショップにて格安でルース品を入手した物。
てっきり、レトロエンタテイメントでリリースされた、「クリスティーン」のベルベディアもとい、フューリーかと思いきや、旧ブールバードでリリースされたベルベディアらしく。赤色のベルベディアと言えば、やはり思い起こされるのは映画「クリスティーン」に登場したあの車。作中では「フューリー」として登場し、実際にフューリーも使われている一方、この派手な赤いボディカラーはフューリーに設定されておらず、ベルベディアがフューリーとして作中内に登場している。
昨今、映画……というよりエンタメ界隈では「その属性の人がその属性のキャラクターを演じるべき」という論調が強い印象で、しばし議題に上がっているようだが、「俳優」という職業はなりきって演じるものだと当方は考えるので、例えば、ストレートの人がゲイの人を演じても良いのでは? と思っていたり。突き詰めたら、殺人犯を演じる事が出来るのは本当の人殺しだけ、ということになってしまうわけで。想像力というものが人にはあるのだから、その役を想像して演じるというのも大事な事に思えたり。
と、話は逸れたが、この「フューリーって設定だけど、実はベルベディアだよ」という話を聞いて、ある意味「クリスティーン」もまた、車が車を演じているよなあ、と思ったり。
「ベルベディア」が「クリスティーン」という名前の「フューリー」役を演じている。ある種、スクリーンを駆け抜ける車が作品において、重要なウェイトを持っている事の証左とも思える。「クリスティーン」の場合、この赤いベルベディアがなかったら、この映画は成り立たない。

「クリスティーン」は1983年公開、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」は1985年に公開。
オイルショックを通った後と言えども、まだまだアメリカのゴールデンエイジの残り香から続く、80年代のアメリカの絶頂期を感じ取る事が出来る時代の作品だが、当方的に面白いと感じるのは「若者」が憧れる車の対象がたった2年たらずで変化しているところ。
もちろん、両者を比べるのは根本的に誤りなのだけども、少し興味深いと思う点でもあるのは、クリスティーンの場合、50年代後半の中古どころか、ポンコツ扱いも同然とされてしまったフューリー(ベルベディア)に主人公、アーニーが魅了される一方、バック・トゥー・ザ・フューチャーのマーティは「新車」として売り出されている輸入車のハイラックスに憧れているという点。
たった2年。されど2年。まあ田舎と都会という違いもあったりで、こうして「同じ年代」に作られた映画でありながら、2つを比べると対局に位置するのではないかというくらい、価値観が違う事が面白い。既に都市部ではメイド・イン・アメリカよりもメイド・イン・ジャパンないしは、海外製品に対して寛容だったということか。
以下、Youtubeの動画のお話。

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昔からYoutubeでミニカー関係の動画を見ていた当方。既に消されてしまった動画も大量にあるわけだが、記憶にはまだ残っているという作品も多い。
とは言え、ミニカー関係の動画が少なくなったか、と言えばそういうわけでもなく、国内外問わず、ミニカーを使った動画は多い。
最近はYoutubeに限らず、インスタグラムなんかで発信している人も散見される。それくらい目にする事は決して少なくなったわけではないのだ。
定番のコマ撮りに、糸を使って引っ張るものや、コマ撮りをメインにしながらも、複数の手法を混ぜて臨場感を増させる方法まで多種多様。
中には今回紹介したような、ホットウィールのトラックを用いたものもある。アクション性やストーリー性を重視するなら、コマ撮りが有利だろうが、レースのような白熱した展開を繰り広げるのであれば、確かにホットウィールのトラックを用いた手法はかなり効果的に思えたり。
このシリーズ、全部を見ているわけではないが、最初の方はラリー要素の雰囲気が強かったものが、最新シーズンでは日本の街のジオラマが置かれている。言ってしまえば、街中で行われるストリートレースにシフトしたということ。
ミニカーの製品化率を見ても、日本車がトレンドの状況が続いているようだが、こうしてトレンドが更に波及し、取り入れられて行くのを感じる。
さて、日本車の次にトレンドになるとしたら?再びアメ車に回帰するのか、将又欧州車のネオクラシックへと舵切りされるのか。
或いは、韓国や中国と言った国のブランドや東南アジアのような専売車に移ろうのか。どう変化するのか楽しみでもあり、過去のものになっていくのが少し寂しくもあったり。と言ったところで〆。
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