

TOMICA PREMIUM HONDA NSX TYPE S
New Sports eXperience、NSX。”新時代のスーパースポーツ体験”と、初代の「New Sportscar X」とは異なる「NSX」が銘打たれた2代目NSXは2016年から生産され、昨年生産終了。日本国内ではタイプSも含めて、トータルでおそらく500台に満たない台数と思われる。
初代NSXはもう少しカジュアルというか、もう少し手の届く範囲に居たスポーツカーに思えるが、それと比べると、製造期間はもとより、価格が非常に高額故に、カジュアルさは薄く、代わりに「日本のスーパーカー」という側面が強かったように思える。
無論、NSXが出た当時、日本経済がバブルだったのも影響している点は留意すべきではある。今よりも車が注目される時代だった点も考慮すべき点。となると、案外NA1が現代に出ていたとして、結果はあまり大差は無かったのかもしれない。
とは言え、販売台数の差というのは露骨に影響するもので、街中では初代NA1及びNA2は稀に見かけるのだが、2代目は2回程見た程度でほぼ記憶にない。それくらい2代目NSXは珍しい車の印象だ。
元来、自動車は同じ名前であれど、日々進化するもので、特にホンダは徐々にボディサイズが大きくなる事で初代と比べた時に車格が1個上がっている……なんてことも珍しくないように思う。シビックも巨大化が進んで今ではかつてのアコードのボディサイズに収まるし、そのアコードも巨大化で1ランク上のボディサイズに収まるのだから、最初に設定されていた「最上級格」が押し出される形で生産終了になるのも致し方ないように思えたり。
さて、1月にトミカプレミアムでこの2代目NSXの最終モデル「タイプS」が製品化された。
ノーマルのNSXは既に通常品のトミカで製品化済みなわけだが、ノーマルと比べると仮面を付けたようなフェイスが特徴的でこれが実にイカしてる。
ホンダの最上級モデルは「タイプR」だが、残念ながら当代のNSXはタイプRを引き継がなかった。しかし、タイプSはそれに負けず劣らずの魅力を持っているのではないかと思う。

ただねえ……トミカプレミアム。
トミカ自体がノーギミックになりつつある昨今、サスペンションが割りかし、トミカのアイデンティティとして大きい割合を占めるものだと思っていたのだけど、今回のNSXタイプSはなんとサスペンションも無い、ノーギミック仕様。
トミカプレミアムが上級ラインとして設定されているのは明白だし、上乗せされている価格分だけ、コストを掛けるものだと思っていただけに、ギミック無しというのもいかがなものか。
無論、ギミックが無くても当方は然程気にはしないのだが、それよりも当方が気になったのがパーツ構成。
基本的にトミカ、ホットウィール、マッチボックスはボディ、ウィンドウ、インテリア、シャシーの構成で1台ビルドされている。そこにギミックで別パーツが追加されたり、より精巧さを増す要素としてヘッドライトやグリル、テールライトの別パーツ化が挙げられる。
だけどねえ……NSXには別パーツが存在しない。これがウィークポイントに感じてしまう。サスペンションすら無い分、ヘッドライトなり、リアライトなり、どこかしらが別パーツで凝った造りをしているなら、ノーギミックでも不満は軽減されたのではないかと思う。
なんというか、価格に見合うか微妙なラインの簡潔な造りがなんとも寂しいというか、作り手の気概のようなものを感じられないというか。もはやホイールだけでプレミアムの定価分を徴収しているようなもので、もう少し頑張れなかったのだろうかと思えたり。
まあ3インチでは数少ない「タイプS」だし、通常品のNSXの厚ぼったい造りと比べると大分スタイリッシュな造りではあるのだけど、NSXが、ホンダが好きでもない限り、やっぱり評価は「価格には見合わない」というものに落ち着いてしまうと思う。
次に出るトミカプレミアムは4月のFD2型シビックタイプR。こちらもギミックが無さそうだが、NSXと異なり、ヘッドライトとテールライトが別パーツの様子。
FD2シビックと言えば、やはり数年前記事にもしたYoutubeのコマ撮りのそれを思い出すわけだが、当方が子供の頃に現行だったスポーツカーがトミカプレミアムで「大人が楽しむ」車に変わったのだと思うとつくづく歳をとったなと感じざるを得なかったり。
あの頃学生だった人が社会に出て、数年経ち、製品企画を出来るようになったのだと考えるとやはり感慨深いものがあると同時に、老いに向かっているのだと感じる。
以下、ミニカーカスタムのお話。

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敢えて触れなかったのだが、今回の白のタイプSは当方のカスタム品。
最初はホイールをワイドタイヤにして通常品トミカ感を出そうとも思っていたのだが、トミカのタイヤに変えた途端にかなり安っぽいというか、トミカプレミアム感が消え失せてしまったのでホイールはそのまま使用。また、サスペンションをなんとなくで仕込んである。動画等でないと証明するのは難しいのだが、ちゃんと普通のトミカと大差なく、サスペンションが動くように出来ている。これくらいなら割と簡単に出来るものだなあと。
ここ数年、海外の上手いミニカーカスタムだったり、ホットウィールのジャパンコンベンションのミニカーカスタムコンテストなんかを見ていると、ギミックを付ける人が増えたように思う。
使っている道具を見るに、当方でも出来ない事もないが、ボディをぶった切ってギミックを仕込もうとしたところでモチベーションが続くような気がしないので、敢えてチャレンジはしていなかったり。
でも良いカスタムを作り続けるというのはこういうチャレンジをしないときっと得られない事でもあるんだろうなあ、とも思っている。
行列が出来るようなラーメン屋だって、定期的に、ちょっとずつ味を変えていると聞く。それは客の舌も肥えていくから、そのまま同じ味を作り続けると飽きられてしまうから。
ジャンルは違えど、根っこは一緒。ミニカーを弄り続けている以上はモチベーション関係なく、新しいことに挑戦すべきなのだろう。
ただねえ……コンベンションなり、海外の上手いミニカーカスタムなり、スタートラインが違うように思うのもまた事実で。
彼らのスタートラインを当方は推測するしかないが、凡そ、プラモデルを組んでいたり、カスタムマシンが好きでノーマルじゃ飽き足らずカスタムに手を出したり、ミニカーを使って自己表現をしたい、というパターンが多いのではないかと思う。自己表現という点では当方も同じ。
ただ、当方がミニカーカスタムを初めたのは「欲しい仕様のミニカーが無い」というのがスタート。
別にスタートラインが違うからあなたとは違う、なんて事を言いたいのでは無く、毛色が違い過ぎて多分向こうから見て当方のカスタムは「興味が持てない」ものだし、当方から見て、コンテストに並んでいるようなカスタム品に「興味が持てない」のだ。
当然、カスタムをしている身なので派手なグラフィック、ギミックの追加、パテ等での派手な造形等々、当方の比ではないスキルと労力で完済されたカスタム品を見る事自体は嫌いじゃないし、それが出来る人を尊敬するのだが、結局のところ当方のやってるところとは「似て非なるもの」を感じてしまったり。
もし、何かコンテストに出す為に何か作ろう、と思ってもこれといったものが思いつかないところが畑違いを感じざるを得ない部分。
まあ当方のカスタムテーマは基本的に一貫して公式が実際に出していそうで出していない「ディープフェイク」である以上、致し方ない部分なのだけども。
ただ同時に思うのはトミカではなく、ホットウィールやマッチボックスを弄り続けていたらそうではなかったのではないか……という部分もあったり。トミカに熱が戻ったからこそ、こうしてトミカ「らしさ」を重視した弄り方をしているけど、トミカ熱が戻らないままだったら……なんて棚ぼた的な事を考えてしまったり。と言ったところで〆。
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