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GRIZZLY GARAGE

自己満足の、自己把握用のデータベース。覚え書き。

日本的レトロフューチャー

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TOMICA HONDA STEPWGN

1月のトミカ、ステップワゴン。
ミニバンということもあって、初回限定であれど、そこまで爆発的な人気は無かったように思うのだが、今回「ホンダディーラー限定販売」の登場により、一時的にミニカーオタク界隈が混乱状態に陥っていたように思う。

通常および初回限定はスポーティーに仕上がっている「SPADA」、対するディーラー限定の「AIR」はベースグレードに相当するグレード。2つの違いは顔つき。そしてスポイラーの有無。インテリア等も違うのかもしれないが、実車にそこまで乗る機会のない人間なので、一先ずエクステリアの違いのみ、当方は把握している。

さて。長年、トミカのホンダ車、それもタイプRを除いた乗用車はベースグレードが製品化される確率が高いらしく、歴代ステップワゴン、いずれもベースグレード。スパーダは製品化された事がなかった。

故にスパーダが通常品として登場した事。それだけでもステップワゴンが好きな層にしてみれば、感嘆の声が出てもおかしく無いのだが、ここに来てベースグレードであるAIRまで製品化されるとは。恐れ入った。

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長年、トミカは日産とズブズブのイメージが強いのだが、昨年辺りからそれが鳴りを潜めるようになり、代わりにズブズブさを感じさせるようになったのはホンダ。シビック タイプRの試作品の先行公開に、初回限定品の気合の入りようまで見たらズブズブと感じざるを得ない。

おまけに12月はシビック タイプR、1月はステップワゴン、そして2月にはバイクのハンターカブが登場予定。3ヶ月連続でホンダ車という抜かりなさ。
尤も、ロングライフモデルが多すぎて誤魔化し誤魔化し、な状態が続いていた日産車と比べれば、新車を投入しているホンダを製品化してくれた方が当方としては大変嬉しいのも事実。

2010年代中頃のホンダはどうも、ゴテゴテしすぎているというか、デザインがあまり好みに感じられなかったのだが、2020年代に入ってからのホンダはシンプルなデザインに舵切りしたようで、今のゴテゴテしたデザインが多い中で、クリーンでシンプルなデザインが増えた。一般的な受けは兎も角、車オタク的な受けは大変良いのでは無いかと思うのだが、はてさて。

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2代目以前のような、スクウェアなデザインが全面に押し出され、1990年代後半~2000年代を思い起こすような縦長のテールライト。言ってしまえば、日本的レトロフューチャー。考えてみれば、ホンダのBEV、ホンダeもN360を意識したであろうデザインで、レトロ調ながらも、どこか未来的デザイン。一足早く登場していたN-Oneも同系統のデザインで、ある種、ホンダのレトロフューチャーデザインの観測気球。

アメリカでレトロフューチャーなデザインが用いられるマシンが「ポニーカー」であるとすれば、日本でレトロフューチャーなデザインが用いられるマシンが「軽自動車」「コンパクトハッチバック」「ミニバン」というのが実に対極的であり、そして日本的。それぞれの国の車文化が伺えて興味深い。

それにしても、このデザインを見ていると、現代でも無理に空力を意識した丸みを帯びたデザインでなくても作れるのだなあと思えてしまったり。やはりカクカクとした、シャープさというか、メリハリのあるボディラインの方が当方としては落ち着く。

尤も、ボディサイズは先代よりも大型化され、ついに5ナンバーサイズから3ナンバーサイズに拡充。おそらくは生産終了したオデッセイの後釜でもあるということか。

流石に同クラスライバルのノア/ヴォクシーと比べると販売数は負けてしまっているようだが、それでも十分以上に健闘しているようで、街中で見かける事もそれなりに多い。今後、ホンダに限らず、こういうレトロフューチャー的だったり、曲線よりも直線の多いデザインが増えると良いなあと思いつつ。

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テーマ:ミニカー - ジャンル:車・バイク

コメント

ステップワゴン、ホンダディーラー限定で、しかも通常とは別の金型で登場していたのは知りませんでした。
ステップワゴンは2代目を除いて歴代モデルがトミカ化されており、かなり優遇されている部類の印象があります。
今回登場したモデルも初代を思わせるデザインですが、その初代も色違い4色のギフトセットが発売されるなど、バリエーションが豊富でしたね。

「レトロフューチャー」の件ですが、ホンダ以外ではJB64ジムニーやFJクルーザーなど、SUV系の車種にもその傾向が見られますよね。
それだからか、RZ34のようなスポーツカーが初代を思わせるデザインを取り入れたのは、かなり衝撃的でした。

レトロフューチャー

最近、まごうことなきレトロフューチャーなビンテージモデルを入手して大満足のワイキキです。

さて、レトロフューチャー。
当方の感覚だと、過去のある時代において未来的デザインとされたものが「レトロフューチャー」なんです。わかりやすいところで言えば、フューチュラマの出品車とかリンカーン・フューチュラ、クライスラー・ターバインその他コンセプトカー……。
今のマスタングやカマロは、レトロフューチャーじゃなくて、かつての名車の意匠を取り入れたレトロデザインと考えています。ミニやフィアット500、新型フェアレディもそう。
ホンダeもレトロな意匠を取り入れたコンテンポラリー。元ネタのN360に未来的デザインの要素があったらレトロフューチャーと呼べるのでしょうけども。

あ、待てよ。サイバーパンクやスチームパンクの感覚を取り入れた90年代のクルマのリバイバルなら、それはレトロフューチャーでOKですね。だけど、90年代のアメリカや日本にそんな量産車は存在しなそう。
可能性として、ポリスカーやタクシーのリバイバルデザインだったらレトロフューチャーもあり得るかもしれません。

  • 2023/02/07(火) 01:29:58 |
  • URL |
  • ワイキキ@第三世界 #-
  • [ 編集 ]

Re: レトロフューチャー

>ワイキキさん
>レトロフューチャー

言われてみると、50年代の巨大なテールフィンを持つアメリカンやその時代のアメリカンブランドのコンセプトカーだったり、アメリカ車含む、外国車の影響を受けたデザインが施され、デザイン性の高い60~70年代の日本車の方が「レトロフューチャー」と呼称するに相応しい気もします。

ただ、当方の感覚だとやはり過去デザインを現代的感覚に落とし込めたデザインが総じて「レトロフューチャー」に感じてしまったり。感覚の差というか、当方の認知の問題な気はします(笑)

本来の意味を解釈すると「過去に生み出された、過去の時点から想像された未来のデザイン」が「レトロフューチャー」であり、今の、当方が呼称している「レトロフューチャー」こと「レトロデザイン」は「懐古主義」から生み出された現代的解釈のデザインで、根底から違いますね。お恥ずかしい限り。

本来の言葉の意味を考えて車種を選定するとすれば、ホットウィールで製品化されている、Dodge Airflowだったり、Haulin Gasだったり、かつてのTEXACOのタンクローリーなんかが正しくその意味に相応しいのではないかと。
尤も、この辺りのデザインは当方は「スチームパンク」的にも感じてしまいます。

>サイバーパンクやスチームパンクの感覚

90年代の車で近未来的と思えるのは天才タマゴことエスティマだったり、トーラスを筆頭に、フォードが推し進めていた「エアロダイナミックス」なデザインはどこか近未来的に思えます。

ただ、当然ながらこの辺の車は「サイバーパンク」に近いようで全く違うと感じるのは「この年代の車のデザイン」として既に確立されてしまったからなのではないかと。

まさしく、現行ステップワゴンが「レトロデザイン」として、初代・2代目を強く意識したデザインで登場していることからも、既に90年代のデザインは90年代のものとして確立されてるように思います。

その年代年代のデザインがありますが、今の時点で、当方は2010年代後半以降に登場した日本車に強く「サイバーパンク」な要素を感じるのはある種、まだ「その時代の車」として確率されきって居ない事の裏返しかもしれません。

>リバイバルデザイン

パトカーやタクシーというと、所謂「リバイバルカラー」という奴ですかね?
あの辺りのデザインは継承され続けるものに思えて、案外、一定周期でテコ入れされてデザインが変わる印象で、現代まで変わらず残っているものは意外と少ない印象ですが、確かに現行の車両に「昔の」「昔ながらの」デザインを施したものは「レトロフューチャー」と言えるのかもしれません。尤も、この場合は「過去の時点から見た、先進的なデザイン」ではなく「懐古主義」から来るものと言えそうですが。

  • 2023/02/07(火) 22:15:09 |
  • URL |
  • グリズリー #-
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Re: タイトルなし

>中央水槽1さん
>ホンダディーラー限定

突然SNS上に情報が溢れて結構驚かされました。5月販売分も既に完売ということで、また納期も6月辺りという話も耳にしてますが、一時的に転売ヤーの餌食にされていた印象です。

>歴代モデル
その2代目も本家トミカでは製品化されなかったものの、yujinのトミカjr.で製品化されて居ましたね。
案外、トミカで歴代モデルすべてが製品化されている車両は少ない印象で、オデッセイも最終型は製品化されないまま終わりましたね。

>ギフトセット

「わざわざ」金型違いを用意したところを見るに、ほぼ確定でAIR2台、スパーダ2台の4台セットが出るのではないかと睨んでいますが、はてさて。そこまでの需要があるかはわかりませんが、2000年代初頭に幼少期を過ごした世代からすると、渇望してしまいますね。
或いは3年ぶりのトミカ博で「イベント限定モデル」としてカラバリが登場するか……。

>レトロフューチャー

既に2000年代半ばからアメリカではレトロデザインが登場しだしてましたし、その流れでトヨタが出したのがFJクルーザーなのではないかと思います。そこから日本にも波及し、現行ジムニーもそうですが、SUVやコンパクトカー中心に、日本でも懐古主義的なレトロフューチャーなデザインが増えた印象です。

>RZ34

あそこまで歴代フェアレディZの要素を混ぜた車両が格好良くないわけがないのですが、あそこまで突き詰めているのを見ると、いよいよ持ってこれが「最後の」フェアレディZになってしまうのではないか、と思えたり……。

  • 2023/02/07(火) 22:27:16 |
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  • グリズリー #-
  • [ 編集 ]

世紀末的

グリズリーさんのエントリーから、80年代、90年代のデザインをレトロと感じる人々もすでにいらっしゃることに思い当たりました。
そうなると、80年代、90年代の「未来的なデザイン」をレトロフューチャーと捉えるのもありなんだろうなと考えをあらためました。たしかにそう。

ポリスカー:
まさにトーラスを思い浮かべました。ロボコップに出てくるじゃないですか。あのトーラスを想起させるような意匠を新型のポリスカーに与えたら、それはレトロフューチャーだと思います。

タクシー:
ちょっと複雑な物言いなんですけど、サイバーパンクでは、キッチュ感を出すために、未来的な都市にあえて古いデザインのクルマを配置したりします。タクシーとか。そうすると、フューチャーに溶け込んだレトロなオブジェクトをなぞったデザインって、レトロフューチャーと呼べるのかなと。
フューチャー内レトロなんですけど、それを後々の時代に取り込んだ場合はレトロフューチャー。
そのシンボルがタクシーの行灯で、先端のEVタクシーに古めかしいデザインの行灯が乘っていたら、「近未来のタクシーにも今と同じような行灯はついているだろう」というレトロなフューチャー感覚の具現化と考えられると思います。

以上はさておき、80年代、90年代の未来感ってダークだったり、殺伐とした、どちらかというと世紀末的なものばかりじゃないですか。80年代、90年代のフューチャーを今の製品デザインに取り入れるのは、なかなか難しいとも思います。フィクションとかだったら問題ないでしょうけどね。

  • 2023/02/09(木) 00:46:45 |
  • URL |
  • ワイキキ@第三世界 #-
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Re: 世紀末的

>ワイキキさん

>80年代、90年代

当方の世代、所謂「Z世代」でも20代以上になると、生まれるより少し前の時代を「エモい」と表現する事が多い印象で、平成初期を既に「平成レトロ」と呼称するようになってきている印象があります。価値観、技術、デザイン、全てが現代とは当然違うわけで、そこに隔世の感があるわけですが、自分らが生まれるよりも前の時代に憧れを抱くというのは世代問わず、共通事項なのではないか、とも思っていたり。当方は80年代にどこか夢見ている部分がありますが、現実の80年代は当方が夢見ている程、良い時代ではなかったんだろうなあ、とも同時に思っていたり……。

>トーラス

まさしくイメージしていたのはロボコップのトーラスパトカーでした。リメイク後にもトーラスパトカーが出ていて、コンバートされて居ましたが、やはりリメイク前のトーラスの近未来感には敵わない印象がありましたね。
とは言え、どちらにも共通しているのは、近未来感を感じると同時に、どこか退廃的な匂いも漂っていて、絶妙だな、と。

>タクシー

微妙にズレているかもしれませんが、昨年公開された「THE BATMAN」では明確な西暦の提示はされなかったものの、2020年代以降であることが示唆されながら、タクシーは1980年代の箱型カプリスか2011年以前の最終型クラウンヴィクトリアが用いられ、パトカーには1992年型の初代前期型クラウンヴィクトリアと最終型が入り混じりつつ、エクスプローラーベースのインターセプターユーティリティが居たり、主要キャラである署長がアシにしている覆面パトカーは最終型トーラス(インターセプター)が用いられる等、かなり年代がバラけて居ました。

当時は年代を敢えて固定させない点+アメリカの情景らしさを重視して選んだのだと思っていましたが、「バットマン」シリーズは根本的に「近未来感」を描く事が多いことを踏まえると、こういったアイテムを敢えて置いていたのは演出の一貫だったのかな、と思えたり。近未来であると共に、どこか退廃的な空気感を演出する上で重要な役割を果たしていました。

>世紀末的

世紀末に生まれているので、あの当時がどういう空気感だったかは、創作物や当時を生きていた人から聞いた話で想像する他ありませんが、1999年に「大魔王が降臨する」だったり、インターネットの「2001年問題」だったり、そういった世俗的な物から、「北斗の拳」や「マッドマックス」のような、アニメ、映画作品でイメージされる退廃的世界観の作品が人気だったりしたのも、あの時代の未来に対する価値観がダークでネガティブなイメージが多くなる要因だったのではないかと思っていたり。

攻殻機動隊だったり、AKIRAだったり、あの辺りで想像された「近未来」のイメージに近い、或いは代替え出来るようなプラットフォームがほぼそのまま、現代には全てではないとは言え、存在してしまっている事もあり、「現在」から「近未来」を想像する難しさはちょくちょく感じます。

その一方で同時に強く感じるのはやっぱり「懐古主義」です。
車のデザインはよく、数年先を意識して作ると聞きますが、レトロデザインの台頭は懐古主義の台頭でもあり、同時にここまで各社が懐古主義に走るのは、ガソリン車からEVへの急速な移行も影響しているように思えてなりません。

尤も、「レトロデザイン」は逃げである、という言説を見たことがありますが、こうしてじっくり考えてみると、その言説もあながち間違いではないな、と思えたり……。

  • 2023/02/09(木) 01:45:10 |
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  • グリズリー #-
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