fc2ブログ

GRIZZLY GARAGE

自己満足の、自己把握用のデータベース。覚え書き。

Nミニカーを振り返る

IMG_1296.jpg
IMG_1297.jpg
BUS COLLECTION MITSUBISHI FUSO AEROSTAR MP38 TOEI BUS

気付けば日付も跨いで4月も終わり。うーん、かなり早く感じる。まあそれは良いとして。

昨年の製品化予告からなんだかんだで楽しみにしていたのがバスコレクションのMP38都営。バスグラフィックという雑誌の復活特別号として付録としてリリースされた。バスコレクションどころか、1/150のミニカー、つまりNゲージのストラクチャー用Nミニカーを買うのは一体いつ以来だろうか?と感慨深い気持ちにもなったり。

バスグラフィックの方はそもそもこの手の雑誌を借りることはあれど、買うことが無いのでコメントは差し控えるとして。

このMP38都営の話も何回もしているので、語ることも少ない。敷いているなら、今年度も都営の新車は三菱ふそうが落札したということと、日野自動車のやらかしが多かれ少なかれ、若干いすゞに影響を及ぼしているようにも見えるので当分は日野といすゞが共同で操業しているジェイ・バスそのものが避けられる傾向に置かれるのではないかと。

IMG_1299.jpg
IMG_1298.jpg

で、Nミニカーの話。1/150なんて言ってしまえば、1/64の更に2.5倍程縮めたスケールと言っても差し支えない。当然バスなのでそれなりの大きさはあるが、それでもやはりトミカのバスよりも小さい。そして当然ながら、鉄道模型であるNゲージ用のストラクチャーなので細かいディティールが凝っている。ただのストラクチャーという枠に囚われず、コレクティブなミニカーとしても十分なクオリティだと思う。

とは言え、Nミニカーは最初から出来が良かったのかと言うと当然そんな事は無く。むしろコレクティブとしても見れるくらいのクオリティになったのはここ2000年代の折り返しに入ってからだと思っていたり。

初期のトミカの塗り分けが最低限だったように、初期のNミニカーもといストラクチャーなんて塗装も質素、なんなら成型色でかなり出来も大味……という印象なのだ。
更に言う慣れば、初期のNゲージのストラクチャーに国産車は皆無に等しく、海外メーカーの海外Nゲージスケールである1/160の外国車ストラクチャーに頼らざるを得なかったと聞く。
さらに言えば、国産の鉄道模型メーカーはストラクチャー、特に車には結構消極的だった様子。おそらく国産鉄道模型メーカーがストラクチャーとして自動車をリリースするようになったのは80年代以降では無いかと思うのだが、、この辺りは詳しくないのであまり断定は出来ず。

少なくとも、初期にリリースされたのは330型セドリックや100系クラウンと言った70年代の車たち。しかしそれらはNミニカーというよりも、ストラクチャーというよりも、Nゲージの鉄道貨物としての側面が非常に強いものだった。
とは言え、その出来栄えは大きさを考えれば十分な代物で、思えばここで評価を受けた事や、鉄道模型が「昭和レトロ」のムーブメントから現代のものへとシフトしたことが後押ししたのではないかと推測する。

おそらくNミニカーをストラクチャーとしつつも、コレクティブとしてのポテンシャルを秘めさせるきっかけになったのは80年代も終盤、昭和から平成に元号が変わった頃にトミックスからリリースされた130系クラウンや、それに続いて登場したR33やらハイエースやら、そういった「町中で見かける車種」の登場ではないかと思う。
更にはスケールこそ1/160で海外に合わせてしまって少しサイズ感が合わないものではあるが、初代エスティマやアルテッツァ、150系クラウン等の当時の「現行車」を集めたKATOの自動車セットなんかも追い風だった筈。

とは言え、それらだけがコレクティブ要素を強めたかというと、当然そうではなく、やはり2000年代初頭にトミックスから更に上の物となったトミーテックから登場した「バスコレクション」に始まり、「カーコレクション」がNミニカーをコレクティブミニカーとして躍進させるに至ったように思う。ましてや、ブラインド販売というのがコレクティブ要素に拍車を掛けたと推測するのだが、はてさて。

無論、初期のバスコレもカーコレも後期のアイテムと比べると今ひとつな部分もある。だが、意外とそうでも無い部分も当然多く、ましてや低価格帯なのも相まって、集めやすいアイテムでもあったのが懐かしい。

2004年10月にスタートしたカーコレクションに限定して話すなら、原材料や生産コストの増加は当然の事ながら、そのクオリティは確かに上がっていった事もあり、気付けば定価は右肩上がり、最初は3台で300円程度だったものが、2台で400円、500円、600円と上昇。結構露骨に値上がっていくのをリアルタイムで感じていたのが懐かしい。

そんな中、2009年11月頃にリリースされたのが「基本セット」なる4台で1セットのアイテム。過去作リメイクのような側面が強かったアイテムではあるが、「基本セット」と銘打つだけあり、ストラクチャーという側面で考えても扱いやすいアイテムが多い事、コレクティブとしてみても、ブラインドでは無いので手を出しやすい……というのがあったのではないかと思う。

思えば、ジオコレ、つまりバスコレやカーコレに限定して言うなら、2010年代に入る頃にはブラインド販売という商法に限界が出ていたと見ても良いのかもしれない。バスコレは今でも細々、ブラインド販売が続いている一方、カーコレに関して言えば、ブランド販売のこのアイテムは2013年に出た15弾を最後に販売されていない上、この15弾も12弾と8弾の焼き直しで、新金型は無し。

当のバスコレもブラインドよりもオープンパッケージにも力を入れている様子で、そもそもで定価がこの15年と少しで1000円も上がってるのが、世知辛く思えてしまったり……。価格に見合うクオリティがある一方、ストラクチャーである車一つとっても結構いい値段するのが自然となってしまったような。
考えてみれば、カーコレの基本セットも最初は1050円だったものが、徐々に1400円台、1800円台と値上がり、2000円を超えたわけで。勿論、クオリティも相応に上がり、初期では無かった内装パーツが追加されたことでより精巧かつ、より細かなアイテムに変わった事もその要因だろうが、手軽さは完全に失われてしまったように思う。

以降、新金型も旧金型もリリースされるのは基本セットのみの展開であり、更にその基本セットも2019年を最後に新作は出ていない。
……で、こうして振り返ると、Nミニカーが衰退どうこうっていう話ではなく、純粋にNゲージ含めた、鉄道模型を趣味とする人口が減少しているのが、アイテムが出にくくなっている要因と考えざるを得ないのだが、どうなのだろう?

とは言え、Nミニカーが全くリリースされていないかと言えば、そんなことはなく、衰退期寸前だったであろう、2010年代初頭にKATOはしっかりと1/150スケールでプロボックス及び200系ハイエースをリリースしていたし、そんなKATOは2020年に入ってカートレイン用の貨物用自動車として新金型でY31セドリック/グロリアとN13パルサーをリリース。

まあ話に聞くとこれも1/160っぽく、1/150のアイテムと比べると少し小さいということだが。更に付け加えるなら、ハイエースやプロボックス周りのアイテムと異なり、整形色・彩色無しのアイテムで良くも悪くも、80年代から90年代に掛けてリリースされていたアイテムを彷彿とさせたり。セルフオマージュという要素もあるのだろうが、ある種、ジオコレの高価格化に対するアンチテーゼ的なそれを感じたり感じなかったり。まあコスト上昇はどこの企業も直面していることだろうし、昔は安かったのに……と思うのはあまり良くはないんだろうな、と。

長々色々書き連ねてしまったが、当方が色々感じる主観。実はまだ書きたくとも蛇足で省いた部分もあったり。その辺はまた追々。



スポンサーサイト



テーマ:鉄道模型 - ジャンル:趣味・実用

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する