HOTWHEELS PONTIAC FIREBIRD TRANS AM 1977
スクリーンを駆け抜けた名車は数あれど、やはりアメ車に限定した時、この車も上位に来るのではないかと思う。
1977年型、ポンティアック・ファイアバード トランザム。通称、イーグルマスク。当方がファイアバード トランザムと言ってイメージするのは黒いボディにゴールドの火の鳥が描かれ、ホイールやトリムなんかもゴールドでまとめ上げられた、まさしくこのモデル。
映画『トランザム7000(原題:Smoky and the Bandit)』に登場した、故・バート・レイノルズが操るファイアバードのイメージがダントツで強いのではないかと思う。
……で、ホットウィールはそんなファイアバードを「ワイルドスピード」の劇中車としてリリースした。
いやいや、どこで映ってたの? という感想は正しいと思う。当方も把握していないし、言われたところでピンと来ないのだから。ほんのちょっとだけ、ワンカットに写り込んだだけのマシンを製品化するのか……と思わなくもないのだが、それでも製品化が出来て、更にそれが売れるのだから、如何にこの「バンディット」仕様とも言われたりする、黒/ゴールドのファイアバード・トランザムが人気なのかが伺い知れるわけで。
実を言えば、ホットウィールが「ワイルドスピード」に登場したこの黒/ゴールドのファイアバード・トランザムを製品化するのは2度目。
純粋な黒/ゴールドのファイアバード・トランザムとして見ても4度目。どうしてそこまでリリースするのか。
前述した通りにモデル車が絶大な人気を誇るマシンというのもあるだろう。だが、当方が一番に思うのは国内外問わずに同仕様のモデルがプレミア化しているのも要因ではないかと思う。
初期ブールバード、レトロエンタテイメントの「Smoky and the Bandit」とリリースされた黒/ゴールドの組み合わせ。直近だと3年前のワイルドスピードアソートにも登場。
だが、いずれのモデルも一時期非常に高騰していた。今年の頭頃までは相場が4000円台で推移していたと記憶する。ホットウィールの上級ライン1台に4000円。これを高いと見るか、安いと見るかはコレクターによっても意見は別れるだろう。
それが今回、このモデルがリリースされた事で相場は定価+送料程度で落ち着いている。これが正常と言えば正常なのかもしれないが、コレクター的に良いと思うか、悪いと思うか、それもまた二分されるだろう。
当方のように「好きなもの」や「好きなテーマ」に沿って集めてるコレクターも居れば、「ブランド」で集めるコレクターも居る。
そして、更に言えば「珍しいもの」「コレクション価値が高いもの」しか集めないコレクターも居る。そう、集め方は人それぞれ。一つで満足出来る人も居れば、2つ、3つ。あるいはもっと台数が無いと満足出来ないコレクターも居る。それがコレクターの性という奴。
マテルは敢えて人気モデルを焼き直しすることで相場の沈静化を図ったように当方には思える。何せ、マテルはRLCモデルという、上級ラインより更に上のコレクティブなモデルを抱えているから。
上級ラインがそんなコレクティブなモデルに方を並べかけているのはマテルにとってもあまり良いとは考えてないのかもしれない。
とは言え。古いものかつ、人気のあるものが高騰するのもまた市場原理としては至極真っ当なのもまた事実。結局は神のみぞ知る……なのだが、少し憎いなと思ったのは、マテルが意図していようが、していまいが、製造国がタイからインドネシアに移管された、という点だ。
2019年リリースの同モデルの製造国はタイ。対する、2022年に焼き直されたこちらはインドネシア。製造国の違いでそう大きく変わるなんてことはあまりないが、製造国も含めて細かくチェックするコレクターが居るのもまた事実。
ただの焼き直しに思えて、立派なバリエーションでもある今回のファイアバード・トランザム。欲しくても手が出せない、出しにくかったコレクターにとっては定価で手に入って満足だろうし、既に持っているというコレクターにとっても「製造国バリ」という立派なバリエーションで買う意義が全くない、なんてことも無い。意外と計算されているのかもしれない……。
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TOMICA CHEVROLET CORVETTE C8
トミカからもリリースされたC8コルベット。
C8コルベットは3インチに限定すると当方が把握する限り、マッチボックス、ホットウィール、MINIGT、グリーンライトからリリース済み。
当ブログでも、既に
ホットウィール と
マッチボックス のC8を紹介済み。
それらの記事でも触れた通り、従来のロングノーズ・ショートデッキのコルベットのスタイルから、ミッドシップレイアウトのスポーツカーに変貌を遂げたC8は正しく大きい決断だったと思う。
自動車というプロダクトにおいて、従来と異なるスタイルのものは市場での評価が二分されやすい。一歩間違えれば、プアマンズフェラーリになりかねなかったコルベットだが、GMが威信を掛けて手を施したのがこれでもかと伝わるC8コルベットは決してプアマンズフェラーリなんかにはならず、しっかりと、「アメリカンドリーム」の象徴であるコルベットというモデルを継承し、シボレーのフラッグシップモデルとしての価値を高めただろう。
製品化に際して、やや遅れを取ったトミカ。思えば、トミカのコルベットは青箱時代のC3を除くと結構リリースが遅い。
振り返ろう。まず2013年リリースのC6。
既に次期型のC7が発表されたタイミングでの製品化は正直疑問符しか付かなかった。おまけにドア開閉ギミックが付いていながら、どうもコルベットの流麗なボディラインを再現しきれておらず、出来栄えがイマイチに思えて、当方は手に取らなかった。
次いでC7がリリースされたのは2019年。これまた既に次期型コルベットの噂話が出始め、次期型はミッドシップレイアウトになり、テストカーが登場しているという話が出始めていた頃。なんならC7が出てから5年が経過してからの製品化は遅いと言わざるを得ないだろう。
とは言え、最後のロングノーズ・ショートデッキのコルベットの象徴として遅れて登場したハイパフォーマンスモデルの「ZR1」の製品化だったので、多少のリリースの遅さは飲み込めた……のだが、これもまた出来栄えが非常に怪しく、どうもフロントが分厚く、ヘッドライトが小さいせいでなんだかバランスがおかしく、ハッキリ言って似てない状態でのリリースで、更にリアにエンブレムが無い事で当時かなりゲンナリした記憶がある。
そんな曰く付きのコルベット。「タカラトミー」になってからリリースする3度目のコルベットは「三度目の正直」と言っても過言では無く、C6、C7の不満点を解消したように思える。
確かに、C6、C7にあったドア開閉ギミックは確かにオミットされてしまった。だが、その分だけ造形に、細かい塗り分けに力を入れており、定価1000円未満で買えるC8コルベットの中で、トミカのC8は一番出来が良いのでは無いかと思う。
特に当方が一番懸念していたのはリアウィンドウの形状。マッチボックスは実車と比べると形が違い過ぎ、ホットウィールはシャープ過ぎて、どっちもどっちという印象だった中で、トミカはかなりバランスよく再現されている印象を受ける。
ホットウィールの腰高感やマッチボックスの寸詰まり感も無いトミカはコルベットのロー&ワイドなプロポーションを良く捉えている。それでいて、トミカ特有の厚塗感が良くも悪くも「トミカらしさ」に繋がっていて、文句無しの出来栄え。オススメの1台。
……と、言いたいが、日本、いや世界全体でのアメ車の影の薄さを考えると出来が良いだけではあまり手に取られないのではないかとも思えたり。
トミカとアメ車。日本メーカーが手掛けるアメ車っていうのは面白いと感じる一方、アメ車の良さがわかる人でも無い限り、どうも相性が悪く、特に2000年代以降にリリースされたトミカのアメ車の多くが「イマイチ」なものばかりで、アメ車好きも手に取らないようなモデルが多い印象が否めない。唯一の例外はハマー・H2くらいのものではないか。
それはおそらく、アメ車の持つ「味」をトミカが全く引き出せず、更にトミカのつくりがその味を更に殺す結果となって、魅力の薄いモデルに終わってしまったのではないかと思うのだが、如何か?
ある種、今回のこのコルベットはそれを克服したモデルとも言えるかもしれない。これ以上アメ車がまたトミカに増えるとは思えないが、もし増やす事があるのであれば、この路線を踏襲して、魅力的なモデルに仕上げてくれるのを期待したい。
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MATCHBOX BUICK SKYLARK 1953
SL銀河の停車駅、遠野のおもちゃ屋で購入したマッチボックス。
街のおもちゃ屋と言った佇まいにも関わらず、ホットウィールやマッチボックス、更にはTLVまで置いてあるのにはちょっと驚いた。観光地という立地と近辺におもちゃを取り扱うようなお店が皆無に等しいからだろうか。
正直に言ってしまえばこの年代のアメ車は一部の層にしか刺さらないこともあり、売れ残りのようなアイテムだが、地味に買い逃していたアイテムだったのでありがたくお持ち帰り。
ビュイック。かつてはフォードのマーキュリー系と並び、GMの中間ブランドとして名を馳せていたが、気付けばオペルのOEM車中心となり、アメリカ国内でほぼ力を入れなくなり、中国市場でなんとか生きながらえているような、そんなブランドにまで凋落してしまった印象がある。
そんなオペルもPSAに売却された事もあり、今や、ワンランク上のSUVブランドのような扱い。かつての栄光は過去になって久しく、日本人どころか、アメリカ人ですら、車に興味が無い限りこのブランドを認知して居ない気がするレベルにまで、影が薄くなってしまった。
だが、フォードの今は亡きマーキュリーと並び、20世紀には名車を生み出してきたブランドでもある。
それだけに、ここまでの凋落ぶりには物悲しさもあるが、これもまた時代の流れ故に仕方のない事。オールズモビルが、ポンティアックが消え去ったように、ビュイックもまた、その危険性があった中で、辛うじてブランドが残ったのは幸運なのかもしれない。
とは言え。ホールデンのように、ある日突然ブランド廃止が言い渡される可能性だって0ではない。既に資本主義国家では経済格差が広がり、所謂「中流階級」が消え失せて久しいのだ。
どこからどこまでを真ん中、アベレージ、或いは中央値とするのかは難しい故に、何を持ってして「中流階級」と言えるのかはわからないが、経済格差による中流階級層の消失が自動車の中流階級向けブランドの消失にそのまま直結したのは事実だ。
結局の所、自動車において「真ん中」という概念は実は使い勝手が良いように見えて実は一番の器用貧乏だったりするのかもしれない。
何せ、高級感が欲しいならそのまま高級車を買えば良い話だし、実用性を選ぶなら実用性・経済性重視の標準ブランドを買えば良いという話になってしまうし、そのどっちもとなるとやはり”中途半端”なイメージが付いて回る。
昨今、いろんな車種から”中間グレード専用”が消えたのもそういう理由に思えてならない。一番上のグレードを買うか、標準グレードを買うか、標準グレードから装備を省いた廉価グレードを買うか。標準グレードこそが中間グレードと言えなくもない。が、やはり実際は廉価グレードは事実上の事業者向けのそれでしかなく、標準グレードか上級グレードの二択に近いのは間違いないだろう。
50年代。アメリカのゴールデンエイジ。現代のアメリカから遠く過去になった時代は”作り物”の時代になりつつある。
いや、既に50年代どころか、80年代以前のアメリカは美化されて、”作り物”の時代になっているのかもしれない。それは人がどうしても「昔は良かった」と過去を美化してしまうからであろう。
当時は当時の、今とは異なる問題や、今では問題とならなくなった事象が問題だった時代でもあり、決して今よりも「優れていた」わけではないはず。しかし、そういう部分は埋没し、過去として忘れ去られ、良い部分だけが残り続け、結果として過去の時代は「作り物」となる。そんなところだろう。
アメリカ文化の良さがなんたるかは前にも触れた通り。それは映画も同じ事。アメリカ映画に求めるものは仏映画や邦画のようなどこか陰鬱さを孕んだ、後味がスッキリしない作品ではなく、娯楽に極振りした、後味スッキリの爽快感のはず。
昨今、アメリカ映画は海外資本によるスポンサーの影響なのか、それとも既にアメリカ国内ではそういった定型文的な、後味スッキリの娯楽極振り作品が飽きられてしまっているのか、やや小難しく、後味もスッキリしない作品が増えた。
それは人種やセクシャリティを含めた、マイノリティに対する配慮が原因……というわけではないが、どうも”良い作品”や”面白い作品”よりも、そういったマイノリティの配慮が全面に出過ぎて居て、本質を見失ってしまった作品が増えた事に起因すると思う。
無論、そういうマイノリティに配慮した作品が悪いわけではない。
上手い具合に娯楽としても面白さを兼ね備えながら、マイノリティが抱える社会問題を提起する作品もたくさん昔からある。
そして奇妙なことに、そういった両方を兼ね備えた作品はホラー映画である傾向が強いように思う。
ゾンビ映画の生みの親であり、巨匠ジョージ・A・ロメロの「Dawn of the Dead」こと「ゾンビ」。これはあの当時、肥大化した資本主義に対する批判という側面を持つ。
最近の作品なら「アス」や「ゲット・アウト」はまさしく、人種問題に一石投じながら、ホラー映画としてのクオリティも高い。
しかし、これらの作品はただの「娯楽作品」として消費できるかというと別問題。そもそもで、ホラー映画が人を選ぶ作品故に、シンプルな娯楽作品として見れるかというと難しいと思う。
……と、長くなりそうなのでここから格納。映画のお話。「トップガン:マーヴェリック」を観てきたのでそこも少し触れつつ。
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旅行記。ミニカーブログでやるな、他所でやれと言われればそれまでなのだが、文字数制限の強いSNSよりも、やはり好き勝手色々書けてしまうブログでしっかりまとめておきたいのでこちらに記しておこうと。
この土日を使って岩手県まで足を伸ばし、花巻 - 釜石を結ぶ、釜石線を土日限定で走っている観光列車「SL銀河」に乗ってきた。
来年の春に運行終了予定で、2014年にこのSLが走り出した頃、一度は乗ってみたいなあ、なんて思っていたのだが、運行終了と聞いてしまえば、乗るなら今しかない!ということで抽選に応募したところ見事にチケットが取れたのでツレと一緒に行ってきたのだ。
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TOMICA SUBARU 360 FIREWORK
書店でトミカがリリースされるのはもはや当たり前になりつつある今、現在展開されているシリーズは「日本の伝統コレクション」なるシリーズもの。
架空系トミカは数あれど、どれも一長一短で琴線に触れないアイテムも多いが、今年のこのシリーズは「デザインが良い」か「タンポを落とせばカラバリとして楽しめる」アイテムがそこそこあるのが特徴。
第一弾のZコンパーチブルの江戸切子仕様を除けば、順調に良いアイテムが揃ってると当方は感じる。
で、最新作であるこれは5月末にリリース。今回は「花火デザイン」。
欧米で花火は年末年始の年越しカウントダウンやアメリカでは独立記念日と言った記念行事やイベントに打ち上げる印象が強く、日本でも確かにイベントで打ち上げられる事は多い。
が、やはり日本人にとって「花火」と言えば、やはり夏の風物詩というイメージではないかと思う。
残念ながら毎年7月の最終土曜日に開催していた隅田川花火大会は今年も中止で、いい加減にやれよと思わなくもないわけだが。
花火をミニカーにデザインとして落とし込める。トミカはどうもミニカーに特定デザインを落とし込めるのが割と下手くそな印象が強かったのだが、鬼滅トミカで磨かれたセンスのおかげか、劇的に改善された印象。
今回のこの「花火デザイン」も夜空をイメージしたダークブルーメタリックの車体に、花火を模したタンポ。そして花火の火花をイメージしてか、ウィンドウカラーはクリアオレンジ、タイヤも昨年辺りから急に登場したクリアカラーでこれもまたクリアオレンジ。
スバル360という車種も相まって、可愛くも有り、オシャレでもあり、かなり魅力がこれ1台に詰まっているように感じる。
これくらいのセンス性の高さを常に発揮してくれればなあ……なんて思ったりはするのだが、ホットウィールでも偶にイマイチなデザインがあったりすることを鑑みるに、「イマイチなデザイン」も同時に存在するからこそ、一際、良いデザインが「より良いデザイン」に感じるのだろうなと。
そう考えると静岡限定のあの書籍トミカは……。
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