

MATCHBOX CHEVROLET CAPRICE 1994 NYPD POLICE CAR
90年代ブーム……というわけではないが、昨今の映画事情を見ていると80年代を舞台にした映画からゆっくりながら、90年代を舞台にした映画がちらほら出始めているように感じる。当方含め、我々が感じる20年前、10年前はそれぞれ「80年代」「90年代」だったものが、気付けばどちらも「2000年代」なのだから、時の流れを感じる。
マテルとグリーンライト、その他アメリカンブランド諸々。
最近の彼らはどうも、映画よりも一足先に「90年代」をテーマに徐々にシフトしているように感じる。90年代に街中を駆け抜けていたスポーツカー、パトカー/タクシー車両、コンパクトカー……そのうちバスやトラックも出るのではないか。
90年代初頭から半ばにかけてのパトカーやタクシーの主力はシボレー・カプリスだった。それも、クジラのような。角型からクジラ型に変貌したカプリスはその強烈なインパクトながらも、やはりフルサイズという信頼できる設計から、実用性を重視し、そのデザインを無視して大量に走っていた。当時の映画が生き証人のように、それを指し示している。
今や、「昔の映画」に出てきたパトカーやタクシーがこのカプリスという印象だが、それを何故、マテルは2020年を迎えて敢えて製品化したのか?懐古主義?
いいや、違う。考えてみると、90年代、マッチボックスはまだマテル傘下ではなかった。カプリスが主力であったであろう時期に製品化されていたマッチボックスのアメリカンタクシー&ポリスマシンは「フォード・LTD」と「97年型フォード・クラウンヴィクトリア」だ。シボレーには手を触れず。
じゃあホットウィールは? あの当時は今以上に、過剰なデフォルメやカスタムが多かった。彼らが地味で平凡なアメリカの身近なフルサイズセダンを製品化するはずがない。
そう考えると。徐々に始まった映画の「懐古主義」に乗じて、マテルはあの時製品化して来なかった90年代の穴を埋めようとしているのではないか?
と、推測したところで詰めが甘いとも思うのだ。だって、このカプリスの1994年当時、NYPDは所謂「旧カラー」と呼ばれる白と水色のツートンだった。白にブルーの、所謂コストカットが施された「現行カラー」が採用されたのはおそらく96~97辺り。年式が微妙に会わないのだ。
更に。マテルのミニカー自体のコストカットのおかげでサイレンも何故か棒型タイプ。確かに存在したがそれは旧カラーでの話。おまけに数もあんまり多くはなさそうだ。無論、他のカラーリングに転用前提と考えれば自然かもしれないが、正直違和感がある。
ということで、分解し、ウィンドウパーツと一体成型されたサイレンをもぎ取り、ジャンクのインパラパトカーから剥いだまま放置していたV型のサイレンを装備。これだけでかなり違和感が解消されたように感じる。というか、サイズがほぼピッタリなのを見るに、これをむしろ推奨していたのではないかとさえ思えて来る……。
さて。では、90年代に対するタカラトミーの意識はどうか。
TLVでは90年代に回帰しているし、徐々にトミカプレミアム、限定トミカにも普及して来ているように感じる。それは世界的な日本車ブームで90年代に登場した日本車が再評価されているのも大いに関係しているだろうが、純粋に、あの当時を子供で過ごしてきた人達が「製品化」出来る権限を持つ年齢になったから……とも考えられる。
今回、数日間にわたり、香港好きのトミカ好きの同志と話をしていたのだが、香港の街並みを作る上で、現代と80年代後半までは再現可能な一方で、90年代の、それこそ130系クラウンセダンが現状存在しないために、あの当時の街並みの再現が出来ないらしい。確かに。130系クラウン自体が製品化がまだ少ないように思える。ましてや、タクシーとして主流だったクラウンセダンとなると余計に。
当方としても、やはり130系のクラウンセダンは欲しいなあと感じる次第。
だが、そもそもでY31セドリックセダンも登場して居ない時点であまり期待できない気がする。もしかして、タカラトミーはタクシーを目の敵にしている?
以下、音楽の話。
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