

FERRARI TESTAROSSA / 思い出のマシン
今年3インチスケールのミニカーの一大トピックと言えば何か?
それはおそらく、問答無用で「フェラーリのトミカ」だろう。長らく記事にしてこなかったのはすべて、土曜日に手にした「タカラトミーモール限定」カラーの黄色のテスタロッサの為……というのは嘘で、単にいろんな人が記事にしているから。
では何故これを今になって取り上げたのか? それは気合の入った出来のよさでも、人気があるからでも、何でもなく、個人的にテスタロッサが思い入れのあるマシンだからに過ぎない。
かれこれ15年以上前に販売になったとあるゲームにて収録されていたスポーツカー。それがこのテスタロッサだった。
今にしてみると、自分がニューヨーク好きで、アメリカ好きに育ったのもこのゲームをやっていたらからな気がする。
あのゲームが自分の中での車の好みを形作った気がするし、今でもあのゲームに収録されていた車がやはり特別。
'67シェルビー・GT500、フォード・クラウンヴィクトリア、ダッジ・ラム、ダッジ・モナコ、ホンダ・S-MX……等々、あのゲームに出てきた「アイコン」的マシンはミニカー収集やカスタムにおいて「中心」になっている。
このテスタロッサも例外ではない。フェラーリの名車は自分の中で、フェラーリと言えばテスタロッサ、というくらいにこの車に対する思い入れは強い。テスタロッサを超えるフェラーリもおそらく今後現れないと思ってる。きっと思い出補正が強いからだろう。
テスタロッサはそんなこともあって、フェラーリよりランボルギーニ党ながら、唯一優先されるフェラーリだったりする。
収集対象のメインに入り込む車種が為に、当方の手元にはトミカの旧テスタロッサとマッチボックスのテスタロッサがある。
しかし、このプレミアムのテスタロッサはどうだろう。フォルム、ギミック、彩色。どれをとっても完璧。3インチのテスタロッサなら、ダントツでトミカプレミアムが1番と言っても過言では全くない。リトラクタブルヘッドライトの開閉、なんて、他のどの3インチミニカーにも搭載されてないギミックだし、ましてや、トミカプレミアムには初代NSXやカウンタックと言った、リトラクタブルヘッドライト搭載マシンがラインナップされて居るにもかかわらず、このギミックがあるのはテスタロッサだけ。
ある意味、このテスタロッサは「タカラトミー」が持っている技術力の賜物なのかもしれない。
ならその技術力でもっといろいろちゃんと作れよ、とも思ってしまうが。
スポンサーサイト


CADILLAC ESCALADE / ペットネームを捨てられないキャデラック
キャデラックと言えば、かつては高級車の代名詞的存在だった。
今日ではキャデラックと言っても、なにそれ?という人の方が多いだろう。欧州車の台頭とアメ車の没落で、高級車の代名詞は今やドイツ御三家(BMW/アウディ/ベンツ)かレクサスという具合だろうか。
そして今のキャデラックも言ってしまえば、それらドイツ御三家やレクサスを横目に作りました感が満載の車ばかり。
「アート&サイエンス」のキャデラックはペットネームを捨てて、アルファベッド3文字で車名を表記するようになり、気付けばアメ車らしさは薄れた気がする。個人的に嫌いではないのだが、やはり黄金期のアメ車の輝いていた時代のキャデラックを知る人、好きな人からすれば、やはり物足りなさというか、味気なさはあるのではないだろうか。そしてギラギラしたクロムが「下品」に感じる人も多いだろう。
そんなキャデラックの売れ筋は「エスカレード」。マッチボックスでは2代目と現行の4代目が製品化されている。同じマテルのホットウィールからはその間の3代目も出ている。アメ車の魅力が薄れ、アメリカのマーケットで売れる車の半分が日本メーカーになった今、ただ欧州車を模倣したような製品が目立つアート&サイエンスのキャデラックの中で、かなり製品化に恵まれている部類ではないだろうか。
マテルが中心に引き起こしたJDM、日本車ブームは年々勢いを増して、世界中を騒がせている。かつては安い車という認知だった日本車も、再評価を受けて、今ではスポーツカーを中心に名車としてその名前を轟かせて居る。
その一方、アメ車は一部のブランドを除けば弱体化し、その人気も、実用性さえもすべて失ってきている。人気が無くなれば、製品化される確率も下がるのは明白。キャデラックは特にそれが著しいとも言える。ブロアム、セビル、エルドラド……黄金期から衰退期にかけて、それらキャデラックの代表格とも言える名称はことごとく消え、終盤のそれらはミニカー化にはあまり恵まれていない。
だが、エスカレードはどうだろう。キャデラックの現行製品で一番知名度があり、唯一ペットネームを与えられているエスカレード。初代を除けば、この車のミニカーはそこそこ見つけられる。それは何故か。
90年代にGMCユーコンの兄弟車として生まれた初代エスカレードは商業的に不振とも言えるレベルだった。ユーコンに毛の生えた程度の装飾を施してユーコンより高く売るのだから、売れるわけもない。
しかし、あの当時、ガソリン代は安く、SUVやピックアップが売れ筋商品となり、今日まで続くSUV人気、脱セダン・ステーションワゴンが始まったのは言うまでもない。セレブ達はSUVやピックアップに高級感を求めた。
そのキャデラックの回答がサバーバン/ユーコンに厚化粧を施してリベンジした2代目のエスカレードだったのではないか。そして、それが成功し、今日まで続いているが為に、最後のペットネームとして残っているのではないだろうか。
と、勘ぐったところでミニカーの話。
2代目はSuperfastシリーズの1つで、色はブラック。
対する現行は今年の新製品で色はブラウンがかったガンメタリックと言ったところか。
どちらも「エスカレード」らしい色をしている。というのも、エスカレードは兄弟車のサバーバン共々、政府車両として採用されることも多い。
にしても、日本で買うとどうしたって500円以上はするのだが、これが本国では2ドル未満のミニカーとして大量に売られているのだと考えるとかなり羨ましく思ったり……。
今年からなのだが、何故か2BOXスタイルの車はもれなくハメ殺しやツメひっかけがオミットされて、もれなく車内に支柱がブッ刺さってるのは何故なのか。安全保安基準の引き上げの影響なのかもしれないが、窓から見える支柱が大体台無しにしてくれるので、そこがやはりスケールミニカーには負けるなと思ってしまう。
2代目はリアトランクゲートの裏側に支柱のポイントを作って旨い具合に見た目の損失を避けているのだが、それさえもダメになってしまったのか、それともコストの関係なのか。この間のフェアレーンも支柱がブッ刺さっているし、まだ紹介こそしていないが、BMW i3やゴルフカントリーなんかも支柱がブッ刺さってる。2BOXスタイルの車が増え、人気なのも2BOXスタイルの車ともなれば、それを回避して作ろう、という意気込みも薄れてしまうのだろうか……。来年に出る予定の2016フォード・ポリス・インターセプターは是非とも支柱ブッ刺しを回避して欲しい。


1969 VOLVO P1800S / ボルボの佳作
平成の終わり、ということで世間は賑わっている。考えて見れば、普通という言い方は無礼なのだが、基本的に崩御で元号が変わるので、このように「いついつからこの元号になります」というのは異例とも言える。
故に、平成がいつ終わるのか、というのを我々は知っているので、このように「平成最後の~」と言えるのだ。
1つ確かなのは、平成最後の夏は終わった。尤も、同じ西暦の同じ日付は帰ってこないのでだからなんなんだ、とも言えるのだが。
今日の本題はボルボの佳作、P1800。所謂クラシックカーという奴。かなりマイナーな部類で、実に「知る人ぞ知る」という感じの車だが、それを製品化してしまうのがやはり我らがマッチボックス……。
この車を知るきっかけは某犯罪ゲームに登場した「ランパダーティ・カスコ」なる架空のクラシックカーの元ネタとしてが最初だったのだが、このスタイルを気に入ってしまい、ミニカーはないかと検索を掛けて見つけた物。やはりマッチボックスは期待を裏切らないというか。
しかし、こうしてミニカーを手にして実車と見比べて見ると、結構デフォルメが効いているのがよくわかる。
実車はもう少しシャープでエッジがある印象なのだが、マッチボックスは全体的に肉厚で、重圧感たっぷり。クラシックカーにはむしろ、それくらいのデフォルメがある方が良いのかもしれないが、ここは賛否が分かれそうなところだ。
さて、画像のはく2010年の1stエディションと2ndカラー。片方はヤフオクで、もう片方は某レンタルボックスにて手に入れることが出来た。
1stカラーの赤色はソリッド系。2ndカラーはターコイズブルー寄りの水色と言ったところでこちらもソリッド系。
色的にはどちらも文句ないのだが、どうも古い車のせいか、メタリック系の淡い色調の方が「らしく」感じる。もし、今度カラバリが出るなら是非ともシルバーや淡い水色のメタリックとかをお願いしたい。それかクリーム色とか。
尤も、2010年に登場して2011年にバリエーションが出たきり、暫く音沙汰なしなので、あまり期待は出来ないのだが……。キャストはおそらく残っているとは思う。
そういえば、ボルボのミニカーというと製品化に恵まれたSUVのXC90以外あまり思いつかないのだが、意外と製品化はしやすい部類だったりするのだろうか。
日本人なら馴染み深いトミカでボルボというと、モータートミカ(B/Oトミカの方が正解?)のボルボ・V70と、富士重工業製のボルボの連接バス2種くらいしか心当たりがなく、1-120の通常ラインナップに入ったことがないと記憶している。
さて、軽くP1800Sの説明をば。マッチボックスが製品化したP1800SはP1800の中でも割とロングライフなモデルで1963年から69年にかけて製造された。
無印のP1800がジェンセン製だったのに対し、こちらはジェンセン製での品質不良を改良するために、ボルボが自社工場で手掛けたモデル。Sはスウェーデンという意味なのだとか。
ジェンセンと言えば、ワイルドスピード・ユーロミッションでレティが乗り回していたジェンセン・インターセプターくらいしか知らないのだが、他社の製品を手掛けて居たとは。
広義でボルボ・P1800と言えば、このP1800Sを指す機会の方が多いのではないだろうか。
北米市場向けに開発・販売がされて居た車らしく、正規輸入車が入っていた……と考えれば、マイナーな存在とは言え、マッチボックスが製品化したのも少し頷ける。
そうそう。マッチボックス好きの同志ともいうべき2人のフォロワーがそれぞれ青と白のP1800Sを持っている。もし、次にミーティングをすることがあれば青2台、白、赤で並べて撮影をしたいところ……。
テーマ:ミニカー - ジャンル:車・バイク


1964 FORD FAIRLANE / アメリカの黄金期
本来なら、もう少し撮影環境やらを整えてから……と考えていたのだが、そんなことをしていると、数か月放置することになりそうなので、iPhoneで撮った物を使用して、ぼちぼち更新。
かつて、携帯のカメラと言えば解像度も荒く、あまり使えたものではない印象だったが、今やスマホが主流となり、カメラに特化した機種も増えた。iPhoneはと言えば、そこそこ綺麗な画質の写真が取れるので妥協点だったりする。
もっとも、綺麗な写真を撮るとなれば、一眼やらミラーレス、高性能デジカメなんかが良いのだが、買うとなると数万はくだらないし、そんなすぐに新調できるわけもなく……。
さて、話が脱線してしまう前に最初にチョイスしたのはマッチボックスの今年の新作である、1964年型フォード・フェアレーンワゴン。
かつて、アメリカで流行っていたファミリーカーはミニバンでもSUVでもセダンでもなく、ステーションワゴンと呼ばれる類の車だった。
今や、アメリカでステーションワゴンは前時代の車のような扱いで人気もなく、アメ車メーカーはどこもこのジャンルから手を引き、欧州メーカー日本メーカー共々、ステーションワゴンもとい、ツーリングワゴンを販売しているがこれらも販売が振るっていない状況が続いて居る。
ステーションワゴンの終焉は80年代に登場したダッジ・キャラバン……所謂「ミニバン」の登場が大きかっただろう。徐々にファミリーカーとしての用途はミニバンや、90年代から人気を伸ばしてきたクロスオーバーSUVに取って代わられて行き、フルサイズの終焉とSUVの台頭と共に、90年代にひっそりと、消えて行った。
最後のアメリカメーカーのステーションワゴンはダッジ・マグナム(2004-2008)だろうか。そんなミニバンも、下火となり、3列シートのSUVと移り変わっているのだから、時代はやはり変わる物だと実感する。
さて、この製品化されたフェアレーンについて。
フェアレーンは60年代、まさしくステーションワゴンがファミリーカーの王道として君臨していた時代の車だ。フォード・トリノの兄弟車と記憶しているが、実はいうとフェアレーン自体にはそこまで詳しくない。というのも、日本ではマイナーな部類の車だけに情報が集まらないのだ。拙い英語力ではすべてを理解し、語りきるのも難しい。1つ言えるのは、フォードのステーションワゴンとして有名なのはこちらよりも「カントリースクワイア」な気がしてならない。
だが、あえてフェアレーンなのは、やはり「マッチボックス」という変態性か。
いや、それもあるだろうが、個人的に思うのは、そんな変態性ではなく、「レズニー時代への回帰」ではないかと。
ホットウィールを展開するマテルの傘下に入ったマッチボックスは、マイナー車やマニアックな車をチョイスし、「コレクティブ」なミニカーとしての位置付けとしてコレクター向けに展開されると共に、「はたらくくるま」を展開し、子供たちの心も掴んでいる。日本ではトミカがまさしく、コレクター向けと子供向けを併せ持っているが、マッチボックスにはそれこそ、「レズニー」時代からあるのではないだろうか。ここだけの話、1970年に誕生したトミカはマッチボックスに強く影響を受けているという話。
ここ15年のマッチボックスの変遷を見て見ると、ラインナップにはところどころ、レズニー時代に製品化された物を改めて製品化していることが伺える。
ロータス・ヨーロッパ、ランボルギーニ・ミウラ、フォードGT40と言ったかつて一世を風靡したマシンもそうだが、個人的に一番それを感じたのは、オールズ・モビル・ヴィスタクルーザー。これは車体後部に犬が2匹、顔を覗かせているのだが、これはそう。レズニー時代にあったマーキュリー・ワゴンのセルフオマージュだ。こちらもまた、後部から犬が2匹、顔を覗かせている。
そして今回のフェアレーンワゴン。レズニー時代に、1度製品化されている。それはこの1964年型ではなく、それよりもっと前の、フェアレーンがまだフルサイズに君臨していた時のワゴンだ。
敢えて今回、インターミディエートクラス、つまりフルサイズよりもワンランク小型な車として生まれ変わったフェアレーンを製品化したのは、レズニー時代への回帰と挑戦なのではないだろうか……と勘ぐってみる。
と、通ぶってるが、そこまでの知識がないのはあしからず。某所にリスペクトを敬して。(2018/09/07加筆)
ツイッターのフォロワーにアメリカン大衆車に詳しい方が居る。その方にこの型のフェアレーンについて教えて頂いた。
ざっと要点をまとめると、「フォード初の中型車でインターミディエートクラスであること」、「デザインはギャラクシー等の当時のフルサイズを意識」、「競技用車両としてサンダーボルトなる、徹底的に装備を省いた物が存在した」、と以上の3点がツボとのこと。
先代まではフルサイズだったフェアレーンだが、フォード・ファルコンと一部車体の共有を行っていたり、今は亡きユーティリティ・クーペであるランチェロのベースになったり、フルサイズとほぼ同じレベルのフルラインナップ等々……、黄金期のアメリカをやはり感じさせられる。
前述の「サンダーボルト」は軽すぎておもりを積んで競技に挑んだ他、時速200km/hまで11.6秒、スーパーストック部門では無類の強さを誇ったらしい。と、いろんな話が掘れば出てくるあたりが、まさしくアメ車の黄金期か。
マッチボックスで製品化された、ワゴンは1963年に追加されたモデル。そして例にもれず、ボディサイドにウッドパネルを貼って高級感の演出を務めていた。今でこそ、ウッドパネルを装着した車両は皆無だが、今でもやはり味があるというか、高級感はある。もっとも、欧州では「安っぽい」と酷評されたようだが。もっとも、マッチボックスではそのウッドパネルのタンポはないので、来年以降のカラーバリエーションに期待したい。
続きを読む
テーマ:ミニカー - ジャンル:車・バイク
| ホーム |